映画『三度目の殺人』
映画『三度目の殺人』は、是枝裕和監督作品です。
好きな監督ではないので、途中でやめてもいいと思って見始めましたが、どんどん引き込まれていきました。
役所広司の演技が凄い。
これほど難しい役も少ないと思えますが、誇張せずに淡々と演技していきます。
この監督の作品なので、日本の社会、この映画だと日本の裁判制度の批判と捉える人もいるでしょうけど、そうではないと思います。
急に殺人をしていないと言い出したのは明らかな嘘だし、その嘘は重盛が想像した通りの理由でしょう。
『私はずっと生まれてこなければよかったと思っていました』
『もしいま、重盛さんが話したことが本当なら、こんな私でも誰かの役に立つことができる』
三隅のこの言葉が本当でしょう。
あと、この映画の鍵は、
『器』という言葉と『三度目の殺人』という題名です。
なかなか見応えのある作品でした。
『モーセの物語』
『モーセの物語 神と交わした約束』は、非常に面白かったです。
1話90分くらいのものが3話ですから、全部で5時間弱です。
ここで描かれるモーセは、私が今までイメージしてきたモーセとは全く違いました。
自信がなく悩み迷うモーセです。
そして、短気です。癇癪持ちと言ってもいいかもしれません。
アンガーコントロールができないところや自信や信仰を失うところは極めて不完全で、それゆえに親近感を覚えました。
が、さすがに、怒りに任せて十戒の板割っちゃいけないでしょと言いたくなります。
ヘブライ人(ユダヤ人)がエジプトの奴隷として大挙拘束されていたということやモーセの存在もなかった、ですから出エジプトもなかったという説が有力になりつつあるみたいですが、全くの架空の物語であれば、預言者モーセをもっと超人的人格者として描くはずです。
このように、弱い面を描いているのは、やはりモーセのモデルはいたのではないかと思ってしまいます。
現在もイスラエルとパレスチナ、アラブ世界の大問題が起きており、いつ世界大戦の着火点になってもおかしくない状況が続いているのは、この『出エジプト記』に因ります。
そういう意味では、このドラマや『出エジプト記』は必ず見ておいた方がいいと言えます。
映像もストーリーも素晴らしいのですが、できれば、ヨシュアをもっと詳しく描いてほしかった気はします。
古いお札でも
ねこまるさん、こんにちは。
私は、古いお札やお守りに関しては、その神社仏閣に返すこともありますが、そのままのことの方が多いです。
特にお札は毎年替えなくてはいけないとか言われますが、私はあまり気にしません。
特に遠くの神社仏閣であれば、なかなか行けないことが多いので。
新しいお札になっても、古いお札が溜まっていたりします。
要は、心の問題であり、自らの心が大いなるものに向かいやすくなればいいだけだと思っています。
大いなるもののことを神と言ったり仏と言ったりしますが、お札にしてもお守りにしても、御朱印にしても、心をその方向に向けやすくするものだということです。
なくて心が向き合えればそれでいいですし、あったほうが向きやすければそれでいいと思います。
なければいけないとか、あってはいけないとか、そのようなことに捉われるのが一番いけないことだと思っています。
とにかく、自分の心を縛るくさりは離していくべきです。
古いお札や御朱印はあってはいけないと思うのであれば、返せばいいと思いますが、私は新しくても古くても、大いなるものにその瞬間だけでも向き合うきっかけにはなると思っているので、全く気にしません。
基本的には、私は、③ですね。
古いお札のが奥で、一番新しいお札を前にして飾っています。
『正直不動産2』第9話と最終話
オンデマンドで『正直不動産2』の第9話を見ました。
最近、内容がなく低調だった『正直不動産2』でしたが、第9話は、サブリース契約の闇を取り上げていて、一般の人にも役に立つと思われます。
私は、サブリースという言葉が一般的でなかった頃から、地主さんから大東建託などのセールスが来ているという話があったときには、『大東建託などのサブリースはやめた方がいいですよ』とアドバイスしていました。
サブリース会社は借地借家法での賃借人になるため、立場が強いのです。
それを逆手にとるやり方ですから、なにも知らない地主さんは騙されます。
法律というのは、弱い者の味方ではなく、知った者の味方なのです。
借地借家法は、事業をする上で交渉を極めて有利にすることができるツールで私はメリットを享受してきましたが、ほとんどの人はそれを知りません。
この意味で、この『正直不動産』は一般の人に役立つと思います。
ただ、この第9話は、今までの中弛みの話よりはよかったですが、煮詰めが甘すぎます。
何故、サブリース新法を盾にとって、重要事項説明義務違反や広告時点での不備などを突いていかないのか、疑問は残ります。
さて、オンデマンドで明日あたり最終話を見ますか。
楽しみです。
~~~
最終話を見ました。
内容的には尻すぼみでしたね。
かなりネタ切れのような気がします。
続編の『正直不動産3』をやる気満々な終わり方でしたが。
映画『ある男』
映画『ある男』には、様々なことを考えさせられました。
三年以上結婚していて子供も生まれたのに、事故で死んでしまった夫が名乗っていた名前も経歴も全くの別人だったというミステリーです。
社会的なミステリーというジャンルに分類させられるかもしれませんが、私はそれよりも人間の潜在意識に深く切り込んだ作品のように思えました。
それは、ラストシーンからそう言えます。
この弁護士も、妻に不倫されていて、自らも在日三世という出自を持っています。
お金にもならずここまで入り込まなくていい案件なのに、思いっきり入れ込んでいきます。
私は、この映画のラストシーンに、重要なメッセージを汲み取りました。
人間は、潜在意識の中で、すべての記憶や経験を消したいのではないか、それが他人の名前や経歴を語るシーンになったのではないか、ということです。
この映画は間違いなく傑作だと思いました。
映画『パレード』
映画『パレード』は、死後の世界を題材にした映画です。
私は、生まれてからこのかた死後の世界があることを疑ったことがありませんから、ごく普通に違和感なく見ることができました。
死後の世界があることを前提として、『この世もかの世もともに捨て去る』という解脱を説いた仏陀の教えに共感するのです。
この世はダメで死後の世界は素晴らしいというような心霊主義ではなく、この世もかの世も現象にしか過ぎないという仏陀の悟達は素晴らしいと思っています。
それはさておき、この映画です。
この映画は、死後の世界を扱っていますが、映画作品としてとても良くできているので、死後の世界を信じない人がSFのように見ても十分楽しめます。
まずは、ひとりひとりのキャラがきっちりと描けていてその人の人生も描けています。
これはなかなかの力量で、三時間以上の超大作でも、個々のキャラが全く描けてない映画が多いのです。
特に、リリー・フランキーのキャラが際立っており、この作品の実質的な主人公はリリー・フランキーだと思います。
後半は、映画監督だったリリー・フランキーの映画を完成させることが内容の中心となります。
前半の長澤まさみの暗い表情や暗めの景色から明らかに希望に溢れたトーンに変わります。
感動的なシーンも何度もあり、ここで終わったならいい映画になるだろうなと思うところも何度かありましたが、続いていきます。
日本映画はラストシーンが悪く、ラストシーンとすべきところで終わらず長々と説明的になるのが欠点だと私は思っていますから、今回もそうかなと落胆しました。
しかし、この作品のラストシーンは『ここまで引っ張るのもありかな』と納得できるものでした。
全体的にいい映画だと思います。
~~~~~
善財さん、こんにちは。
がんになられたのですか。
それは、とてもショックですね。お察しします。
いまは、ほとんどのがんは治る病気になったとは聞きますが、とてもご不安だろうと思います。
参考には全くならないでしょうけど、ハーバード大かどこかの論文で、クエン酸の大量摂取が効果があったと聞いたことがあります。
純粋なクエン酸は少量でもとんでもなく酸っぱいので、大量摂取は至難ですが、私は予防のために、炭酸水にクエン酸を2~5gくらい入れて飲むことがあります。
論文では、1日10~30gだったと思います。
参考にはならないでしょうけど。
何もできませんが、陰ながら快癒をお祈りいたします。
~~~~~
善財さん。
そうですか。
とてもお辛いですね。
医者の宣告にも関わらず、宣告期間の何倍も生きて今も元気で暮らしておられる例はかなりあります。
笑うどころではないかもしれませんが、笑いの効果が絶大ということも聞きます。
なるべく笑えるようなものを見られるといいと思います。
医者の宣告を覆すような快癒をお祈りいたします。
映画『島守の塔』
映画『島守の塔』は、太平洋戦争末期の沖縄戦の時の沖縄県知事島田叡を主人公にした実話です。
とにかく泣けました。
司馬遼太郎が『異胎の時代』と名付けた40年の中でも、その極限だったのは沖縄戦だったと思います。
日露戦争の時と比べ、沖縄戦での軍部は全く違った異様な生物となってしまっています。
まさしく異胎から生まれたものでしょう。
そのような中、私は島田叡という人を初めてこの映画で知りました。
その人柄といいとにかく泣けます。
凛が粉ミルクの缶を慰霊塔に捧げるシーンは、その何十年かの想いを象徴しているようで、感動的です。
映画『シャネルとストラヴィンスキー』
映画『シャネルとストラヴィンスキー』は、あの有名な『春の祭典』パリ初演公演の様子を観ることができるので、ディスクを時々取り出して観ます。
映画としてはココ・シャネルとストラヴィンスキーとの関係の作品なのですが、シャネルとの関係は一度見ればわかるので、私はもっぱらパリ初演だけを取り出して観ます。
『春の祭典』の初演は大騒動になったことで有名です。
『白鳥の湖』のような作品を期待していた人ばかりでしょうから、度肝を抜かれたことでしょう。
何度見ても面白くて飽きないです。
『歯医者を呼んでくれ』『二人お願い』というのは罵声にしても洒落ていていいなと思ってしまいます(笑)
『ゴッドファーザー 最終章』(ゴッドファーザー3 再編集版)
『ゴッドファーザー 最終章』は、監督のコッポラが『ゴッドファーザー3』を編集し直したものです。
私は、『ゴッドファーザー』は、三部作すべてディスクを持っており、特に1と2は、何十回となく観ています。
3は数回見ただけです。
何故か3だけは繰り返し見る気にならないのですが、今回、再編集版が出たというので見てみました。
格段にストーリーが頭に入りやすくなっており、これは大きな進歩です。
1と2に比べ、内容がスカスカだと感じていたのですが、見返してみるとかなり複雑な要素もふんだんに盛り込まれており、他の映画と比べると中身は濃いものだとは感じました。
キリスト教会に君臨するバチカンのマフィアとの癒着、内部による法王暗殺、など極めて衝撃的な内容です。
ただ、再編集しても何かが決定的に足りないと強く思いました。
1と2に比べ、人間の哀しみ、無常感が描かれてないのです。
最愛の娘を目の前で殺されるという、悲しみの極致のようなストーリーにはしてあるのですが。
このストーリー自体が安易に思えて白けてしまう。
再編集版を見ないうちは、娘役のソフィア・コッポラの演技の下手さが原因だと思っていましたが、今回、筋や脚本に問題があるように思えました。
もっと言えば、1・2の時のコッポラ監督の視点と3が全く違うのが原因でしょう。
人間の哀しみや無常感は、俯瞰した視点で描かないと出てこないものです。
バチカン絡みの陰謀やヘリコプターでの襲撃という大掛かりな演出によって、1・2より壮大さを出そうとしていますが、やればやるほどかえってスカスカな感じが強くなっています。
1・2と比べられるので、どうしてもハードルが高くなりすぎているのはかわいそうですが。
『ポップスが最高に輝いた夜』
『ポップスが最高に輝いた夜』は、『We Are The World 』の制作ドキュメンタリーです。
これを見たあとに『We Are The World 』を聴くと感慨もひとしおです。
提唱したマイケル・ジャクソンはとっくに亡くなっています。
歌っていたかなりの人が亡くなっています。
しかし、音楽の力は偉大だと感じられるドキュメンタリーです。
『We are the world 』といい、『People of the world 』といい、マイケル・ジャクソンの音楽には天上の調べがあります。
しかし、マイケル・ジャクソンは、少年愛者でした。
傷ついた人もいたはずです。
音楽の崇高さと不道徳な行為という矛盾したものをどう見ればいいのか、わかりません。
映画『アマデウス』でのサリエリの疑問そのものです。
『正直不動産 2』はおすすめ
大好きなドラマ『正直不動産』が帰って来ました。
オンデマンドでいま3話まで見ました。
笑えるし、不動産業界の裏事情や法律知識も身につき、感動も出来るという、何ともよくできたドラマでおすすめです。
続編の『2』は最初のシリーズに比べ面白くないことが多いですが、『正直不動産 2』は、『1』よりもっと面白くなっています。
『1』に登場した人物はどれもキャラがはまっていて味がありいい人な個性がより際立って来ました。
『2』で新しく登場した人物が対立軸として描かれています。
ここまで役に立つドラマはそうそうないです。
是非見ていただきたいですね。
映画『峠』と映画『燃えよ剣』
久しぶりに日本映画を見ました。
『峠』と『燃えよ剣』です。
どちらも、司馬遼太郎原作の映画化です。
『峠』は、幕末の長岡藩の河井継之助が主人公です。
河井継之助は好きな人物です。
人物像もある程度知っているため、役所広司が演じているのは少し疑問でした。
現在、歴史上の人物の作品は役所広司が演じることが多く、演技もうまいため、無難なキャストとも言えます。
ネームバリューも申し分なく、名前で作品に重みがつくので製作側とすれば安全です。
しかし、実際の河井継之助は、もっとアクの強い、破れたところのあった人物だと思います。
実際の河井継之助は、大した家の出ではないのに、藩主父子に対してもズケズケとものが言える豪胆さがありました。
ガトリング砲にいれこんでいて、自分が直接操ったりしています。
ガトリング砲の威力を過大評価し過ぎの面があり、また、アメリカのモンロー主義を真似たどちらにもつかずに仲介役をしようとする、現実からはかなりはち切れた人物だったと思えます。
西軍との交渉が長岡藩の運命の分かれ目でしたが、河井継之助は完全に見誤っていました。
兵の要請にも応じず軍費の拠出もしない小藩が、時間をくれだの嘆願書だの調停役を買ってでるだのが通じるはずがなく、自らの交渉力を過信しすぎているとは思います。
米国と中国の間で中立でうまく立ち回ろうとした韓国が蝙蝠外交と見透かされて、どちらからも嫌われた例のように、圧倒的な力の背景がないと相手にもされません。
そこの交渉力という面での評価は私のなかでは低いのですが、やはりサムライとしての生きざま死に様は見事だったと思います。
この映画では、
『八十里 腰抜け武士の 越す峠』が出てきません。
『峠』という題名はこの句から来ているのでしょうから、そして、この句には継之助の魅力が込められているので出してほしかった気はします。
その代わり、
『形こそ 深山がくれの 朽木なれ
心は花に なさばなりなむ』
という古今和歌集の歌が辞世の句のようになっていました。
これも、いい終わり方には思えました。
映画『燃えよ剣』は新撰組の土方歳三を主人公とした作品です。
日本映画にしては面白く描けている方だと思います。
上映時間も2時間28分と普通より長いのですが、新撰組が結成される前の、関東多摩で荒くれていた農民の時代からですし、清河八郎や芹沢鴨、近藤勇とリーダーまたは主要人物が変わっていくので、それを丹念に描くと、やはり2時間余りでは無理があり、10時間の連続テレビドラマでしたらいい作品になったような気がします。
残念ながら、2時間では、歴史上の出来事をなぞっていっている感覚しかありません。
殺害の仕方が何ともリアルで生々しく、天然理心流のカッコ悪さもリアルです。
人を殺害するには滅法強いが、面小手着けた道場では弱く人気がなかった理由がわかった気がします。
映画『時の面影』
映画『時の面影』はいい映画でした。
とても静かで落ち着いていて、曇り空や雨が多く時として陰鬱に映る画面の連続ですが、心に染み入る作品でした。
イギリスの裕福な家の未亡人が所有する広大な土地から世紀の大発見となる遺跡が発掘された実話を基にしています。
未亡人役はキャリー・マリガンです。
実話ではこのときの年齢は50代ですが、見事に演じています。
『マエストロ』といい、この作品といい、キャリー・マリガンは現代最高の女優だと確信が持てました。
この未亡人が雇った発掘人は、農家の家の出で、12才から学校にはいっていない、アマチュアの考古学者です。
世紀の大発見のため、途中から大英博物館の有名考古学者に強制的に発掘の指揮者を交代させられるのですが、未亡人とアマチュア考古学者との人間的な信頼関係はずっと続きます。
物語は静かに淡々と進むのですが、未亡人がいつ発作によって亡くなるかもしれない不治の病であることからも、人間の生と死、時とは、など深く考えることができました。
最後、何故か泣けてきました。
こういう映画を本当に素晴らしい映画というのでしょう。
見終わった後、心が静謐になっているのを感じました。
大河ドラマ『光る君へ』について
大河ドラマ『光る君へ』の第2話まで見ました。
視聴率は過去最低のようです。
キャスティングも知らない人や嫌いな人ばかりですし、平安の歴史物によくある貴族の恋愛物語が衣装の華やかさで繰り広げられるばかりで、嘘くさく中身のないドラマになるだろうと思っていたので、正直、見るかどうか迷っていました。
しかし、1話2話とも放送の数日後にオンデマンドで見てみました。
予想を裏切って非常に面白いですね。
1話の紫式部と藤原道長の子役が光っていました。式部の理由のない上から目線のセリフが面白く、それで式部を吉高由里子にしたのか、と納得でした(笑)
こういうキャラにしたいというのがよくわかりました。
2話から吉高由里子となりますが、キャラがはまっていていいですね。
もともと私は歴代の大河ドラマで最も素晴らしいのは断トツで『平清盛』だと思っていて、平安時代のリアルは興味あるのです。
しかし、平安時代のドラマはどれも王朝貴族の華やかさを表面的に描くだけでしたので、今回のリアルさは好感が持てます。
去年の『どうする家康』の脚本が酷すぎたので、久しぶりに楽しめる大河になりそうです。
配役がすべて地味で泥臭く、変に美男美女で視聴率を稼ごうとしてないところがグッドです。
実際は、主演が吉高由里子なので、北川景子のような女優を出すと全部持っていかれるので地味に抑えざるをえなかったのと、ジャニーズ崩壊も影響しているでしょうね。
その分、脚本を味わえるので、ちゃんと見る人が見たら、評価は高いドラマとなるでしょう。
1話での、式部の母親が殺されたのは、フィクションもいいところですが、大胆にこの話を作ったために、これからの展開や主人公の心情を複雑に描くことができるという意味でナイスだと思います。
私は『HIRO 2』で登場した時から吉田羊という人が好きでないのですが、今回、16才で入内した藤原詮子を演じているのはさすがに無理があるような気がします(笑)
全年代を演じなければいけないので仕方ないですが。
今回の大河ドラマが内容は面白いのに、視聴率が低迷するのは避けられないでしょう。
結局、視聴率が稼げるのは戦国時代だけであり、その他の時代に興味がある人が極端に少なくなる傾向にあります。
『平清盛』は出色の出来でしたが、視聴率は最低を記録しましたし。
とりあえず、久々に面白く見ることができる大河ドラマでよかったです。
映画『アリー スター誕生』
ブラッドリー・クーパー監督・主演の『マエストロ その音楽と愛と』が傑作でしたので、同じくブラッドリー・クーパー監督・主演の映画『アリー スター誕生』を観ました。
レディー・ガガがアリーの役をしていて大きな話題になった作品です。
世界トップ級の歌手を映画の主役とするのは、ひとつの大きな博打だと思います。
演技力が未知数であり、これがダメで駄作になった作品など数多くあったからです。
脇役やチョイ役であれば影響も少ないですが、主役、特に映画の題名になる役を演じるのは、かなりリスクがあります。
この映画ではどうでしょう。
レディー・ガガの演技は予想以上によかったです。
もちろん、粗を探せばありますが、それは圧倒的な歌唱シーンですべて吹き飛ぶものでした。
レディー・ガガが歌手でない役をして成功するとは思えませんが、この映画に限って言えば、レディー・ガガの歌唱力を堪能できるだけでも、いい作品だと言えます。
ただ、同じ監督作品ということで、『マエストロ』と比べると、そのレベルは全く違います。
ブラッドリー・クーパーは5年間で監督として大きく飛躍したと思います。
今までの有名監督が軒並み最盛期を過ぎていっていてよい作品が期待できない状況にあるいま、これからのブラッドリー・クーパー監督作品は大いに注目しています。