映画についてのひとりごと 54

坂の上の雲』冒頭のナレーションです。

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まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。

小さなといえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。
産業といえば農業しかなく、人材といえば三百年のあいだ読書階級であった旧士族しかなかった。
明治維新によって日本人は初めて近代的な「国家」というものをもった。

誰もが「国民」になった。

不慣れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者として、その新鮮さに昂揚した。
この痛々しいばかりの昂揚が分からなければ、この段階の歴史は分からない。
社会のどういう階層の、どういう家の子でも、ある一定の資格をとるために必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも、官吏にも、教師にも、軍人にも、成り得た。

この時代の明るさは、こういう楽天主義オプティミズム)から来ている。

今から思えば、実に滑稽なことに、コメと絹の他に主要産業のない国家の連中は、ヨーロッパ先進国と同じ海軍を持とうとした。陸軍も同様である。 財政の成り立つはずがない。

が、ともかくも近代国家を作り上げようというのは、元々維新成立の大目的であったし、維新後の新国民の少年のような希望であった。

この物語は、その小さな国がヨーロッパにおける最も古い大国の一つロシアと対決し、どのように振舞ったかという物語である。主人公は、あるいはこの時代の小さな日本ということになるかもしれない。が、ともかく我々は三人の人物の跡を追わねばならない。

四国は、伊予松山に三人の男がいた。この古い城下町に生まれた秋山真之は、日露戦争が起こるに当って、勝利は不可能に近いと言われたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦を立て、それを実施した。その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強の騎兵といわれるコサック師団を破るという奇跡を遂げた。もう一人は、俳句短歌といった日本の古い短詩形に新風を入れて、 その中興の祖となった俳人正岡子規である。

彼らは明治という時代人の体質で、前をのみを見つめながら歩く。

上って行く坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、
それのみを見つめて、坂を上っていくであろう。

 

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坂の上の雲』最終回のナレーションです。

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維新後、日露戦争までという三十年あまりは、文化史的にも精神史の上からでも、長い日本の歴史の中で実に特異な時代である。
これほど楽天的な時代はない。
無論、見方によってはそうではない。
庶民は重税に喘ぎ、国権はあくまで重く、民権はあくまで軽く、足尾の鉱毒事件があり、女工哀史があり、小作争議がありで、そのような被害意識の中から見れば、これほど暗い時代はないであろう。
しかし、被害意識でのみ見るのが庶民の歴史ではない。

明治はよかった、という。
『降る雪や 明治は遠く なりにけり』という中村草田男の澄みきった色彩世界が持つ明治が一方にはある。

この物語は、その日本史上例のない幸福な楽天家たちの物語である。
楽天家たちはそのような時代人の体質で、前をのみ見つめながら歩く。
登ってゆく坂の上の蒼い天に、もし、一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂を登ってゆくであろう

 

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今日の午前中に税理士が持ってきた『事務所通信』というパンフのコラム欄に
『申年に収穫される梅は縁起が良く、食べると健康に長生きできるという言い伝えがあります。』と書かれていました。
『平安中期、京の都で悪疫が流行した時に、村上天皇が梅干しと福茶で病を治したというエピソードがあります。その梅干しが申年に収穫された梅であったことから、“申年の梅”が薬として広まりました。
また、江戸時代、申年に始まった天明の飢饉では、紀州藩だけが梅干しの力でほとんど死者を出さなかったと言われています。』
とのことです。
ちょうど、庭に梅の木があって、毎年大きな南高梅をつけてくれるので
申年の来年は、梅干しにしようと思います。

 

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坂の上の雲の、あの冒頭、初めて観たときに感激しました。
久石譲の音楽と、司馬遼太郎の文章、渡辺謙のナレーション、
もう完璧ですね。
そして、最終回の『『降る雪や 明治は遠く なりにけり』という中村草田男の澄みきった色彩世界が持つ明治が一方にはある。』のナレーションで泣いてしまいました。

王様のレストラン』最終回の「この店が一流ですって?」も泣けましたね。
このドラマも音楽が最高でした。

そして、『すいか』、スローライフ、癒しのドラマの先駆ですね。
知らない方も多いと思いますが、お勧めです。

この3作は、歴代のドラマでも別格の素晴らしさがあります。
この3作が全部決勝まで残っているということは、皆さん、やはり見る目をお持ちですね。
この3作、どれも視聴率はパッとしなかったんです。
ショーシャンクの空に』が興行成績が悪かったのと同じですね。
後から評価が高くなっていきます。

 

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亀太郎さん
おはようございます。

ひょっとすると祭りでの露店でしょうか。
凄いバイトですね。
暴力団の事務所には入ったことがないので映画で想像するだけですが
居心地は悪そうですね(笑)

本での知識ですが、祭りの露天商にもいろいろ階級があるらしいです。
もっともいい場所で幅を利かせているのは飲食系みたいです。
唐揚げなんかは、相当いい場所だったのかもしれませんね。

 

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琉球ナイトさん、キジムナーさんの置物をくれた人に聞きましたら
琉球村で買ったそうです。
琉球村にはいろいろあるようです。

 

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私の最も推していた『王様のレストラン』『坂の上の雲』『すいか』は4位、12位、24位でしたね。
しかし、高視聴率だった『半沢直樹』や『下町ロケット』がそれほど上位に入らなかったのはよかったと思います。
最近の風潮では、はっきりとした『敵』が次々と現れて、それを倒していくという感じの安易なものが多いので、そしてそれが高視聴率を稼いでいるので、少しどうなんだろうと思うところがありましたから。

昨日、録画していた『赤めだか』見ました。
いいドラマでした。ちょうど、立川談志の落語BOXを注文していたところなので
タイミング的にはよかったです。
立川談志はそれほど好きな落語家ではありませんでしたが、これで落語BOXもより一層興味深く見ることができそうです。

 

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owlさん
こんにちは。

いよいよ今日で今年も最後ですね。
お題にも参加してくださり、きれいなお花の写真も投稿していただき
本当にありがとうございました。

恒例の第九、NHKでありますね。
私は、学生の時から第九はフルトヴェングラーバイロイト盤でしか聴かないので
見ることはないです。
大阪に住んでいるときは、毎年末には、朝比奈隆指揮大坂フィルの『第九』コンサートに行っていました。
朝比奈隆フルトヴェングラーを大変尊敬しており、第九もフルトヴェングラーを真似した感じでした。
しかし、どうしても第1楽章の深遠さが出ません。また決定的に違うのは第3楽章で、これはどの指揮者もフルトヴェングラーのようには演奏できないでしょう。
ただ、生で聴くのは凄い音場感なので毎年必ず行ってましたが。

来年もよろしくお願いします。
来年がいい年でありますように。

 

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Lifeさん
こんにちは。

はい(笑)私は福袋は買わないですね。
テレビ通販もそうですが、煽りに乗せられて買ったもので無駄にならなかったものはないので。
自分でじっくり研究して買ったものは長続きします。
何かといっしょですね(笑)

今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
良い年をお迎えください。

 

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coohさん
お疲れ様でした。
ドラマ投票企画ありがとうございました。
楽しめました。
こういう企画では、埋もれた名作、ほとんど誰も知らない名作が見つかったりするので
いいですね。
そういう意味での私の一押しは『すいか』ですね。
これは観た人のほうが少ないと思いますが、特に女性に薦めてあげてください。
肩の力が抜けるような感じです。

今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
来年がいい年でありますように。

 

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鷹山さん
おはようございます。

私もモノを大切にするので、ガラクタを捨てるのは苦手でしたが
一度ガラクタがなくなる快感を味わうと、どんどん捨てたくなります(笑)
意外と、精神にとっては所有するというのは苦なのかもしれませんね。
とはいえ、捨てようと思った古新聞をついつい読み込んで整理がはかどらないことも多いですが。

金賞ワイン、私は大好きです。
あのおかげで、選ぶのに苦労せず安くて美味しいワインが味わえるようになりました。
ただ、最近、あまりにもいろいろなコンクールの金賞ワインが出回ってきて
少し外れも出てきましたが。

来年もよろしくお願いします。
良い年をお迎えください。

 

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kankichiさん
おはようございます。

そうなんですか。北海道のニセコは、海外セレブの別荘地になっているのですね。
北海道の景色の映像ディスクを持っているのですが
北海道は本当に美しいですね。
その広大な景色のためか、北海道の人には茫洋とした人が多いような気がします。
いい人多いですね。
素晴らしいところにお住みですね。

今年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
来年がいい年でありますように。

 

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ダリアさん
こんにちは。

こちらこそ、いろいろ投稿していただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
ダリアさんにとって来年がいい年でありますように。

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ぽうさん
こんにちは。

私はまだまだ仕事です。
とは言っても、店を回るだけの簡単な仕事ですが(笑)

私は29日に洗車したのですが、今日午前中こちらは雨でした。
今になって晴れてきました。
もう一度洗車をするかどうか悩み中です。

年明けには書初めされるのですか、いいですね。
ぜひ、力強く前向きな言葉を書いて、
その通りの1年にしてください。

来年もよろしくお願いします。
来年がいい年になりますように。

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旅人さん
こんにちは。

今年も今日限りですね。
いろいろありがとうございました。
来年がいい年であればいいですね。
来年もよろしくお願いします。
良い年をお迎えください。

 

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まりさん
おはようございます。

今年一年お疲れ様でした。
私は今日も仕事です。
今年の有意義な一年を過ごせました。
去年がホップ、今年がステップとすると来年はジャンプの年です。
来年はライフワークに打ち込みます。
去年今年でそれができる環境が整いました。

まりさん、今年一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

それではよいお年をお迎えください。

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歌舞犬の小鉄さん
お疲れ様でした。

いろいろありがとうございました。
来年をよりよい年にしたいですね。
来年もよろしくお願いします。
良い年をお迎えください。

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琉球ナイトさん
こんばんは。

キジムナーさんの置物見つかってよかったですね。
しかも、私と同じキジムナーさんですね。
来年いいことがあると思いますよ。
私も今年、去年に引き続き非常にいい年にすることができました。
私の能力や実力からすると信じられないようなことの連続でした。
この世は不思議で満ちていますね。
アンディが言うように『この世は固いものでできているわけじゃないんだ。』ですね。

今年、おかげさまで、渡部昇一が『続・知的生活の方法』で書いた『インディペンデント』に大きく近づきました。

お互いに来年、素晴らしい年にしましょう。
いい年をお迎えください。

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皆さま、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

元日は晴天の中、初詣と墓参りに行きました。
大変いい正月を迎えることができました。
本来なら、お一人お一人にお返事したいところですが
ゆったりとした正月を満喫しておりますので
また明日にでもあらためて書き込みます。

今年が皆さまにとって最高の年となりますように祈念いたします。

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coohさん
明けましておめでとうございます。
富士山の初日の出の画像、ありがとうございます。

正月は、立川談志の落語のDVDBOXを何個か見ました。
やはり『芝浜』は泣けますね。
ただ、立川談志は相当な照れ屋なんだと思いますが
どの噺も、オチの部分が溜めがなく早口で終わってしまいます。
『饅頭怖い』も「本当は何が怖いんだ?」の後に『間』がなく「饅頭怖い」と早口で言って終わりにします。
やはりここは、『間』をおいてから、「ここらで一杯熱いお茶が怖い」とやってほしかったです。
『芝浜』も、時間の関係か、拾ったお金でどんちゃん騒ぎする描写がなく
またおかみさんも、強くてよくできた女房という人格でなく
うそを言ったことを本気で謝る形にしています。
まあ、これは、噺家それぞれの色を出せばいいのですが。
まくらも理屈っぽいですが、ただやはり鬼才であったことは確かですね。

 

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新しい大河ドラマ、今日からですね。
あの『花燃ゆ』でも『八重の桜』でも全部見た私は
どんなものでも見るとは思いますが、やはり面白くなってほしいですね。
三谷幸喜の作品は年々面白くなくなっているので心配ですが
もともと才能のある人なので期待はしたいです。

今年もよろしくお願いします。

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ほっこりくん
明けましておめでとうございます。

年末最後の最後に挨拶していただけたのですね。
今年もよろしくお願いします。

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良い言葉は大切ですね。
言霊というのは本当ですね。
どんな時でも、悪い言葉、マイナスの言葉を排除し
いい言葉を言うようにすれば、運が大きく開けてくると思いますね。
私も、日常生活でいい言葉を使うように心がけたいと思います。

今年もよろしくお願いします

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私も七草粥は大好きですね。
やはりこの時期、七草粥が食べたくなりますから
身体が悲鳴を上げているのでしょう。
昔の人の知恵は大したものです。

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アマデウス』は数ある音楽家の映画でも最高傑作でしょうね。
日本公開の劇場版がやはりいいですね。
ディレクターズカット版は、劇場版ではカットされた部分が多く加えられてわかりやすいのですが、作品とすれば冗長です。
ただ、最後、モーツァルトの奥さんがサリエリが自分の家にいることに
非常に不快な表情を見せてきつい態度をとります。
この理由が劇場版では今一つわからなかったのですが、
ディレクターズカット版を見てわかりやすくなったのではありますが。
それ以外は劇場版がいいです。

私は、春の花はとにかく何でも好きです。
春という季節が大好きなので。
また花もどれも明るくていいですよね。
菜の花のような黄色や梅桜桃のようなピンクや藤のような紫や
どれもどれも好きです。
その中でやはり春っぽい色である黄色やピンク、いいですね。
春の花を育てていただけるのはうれしいです。
楽しみにしています。

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七草粥、昨日食べました。
私は結構この味は好きです。
確かに、この時期、お粥を身体が喜ぶような気がします。
最近は、和風のおせちだけでなく、洋風のおせちも多くなっていますし
正月からステーキや焼肉の家も多いでしょうから
特に今年は七草粥が美味しかったような気がします。

アマデウス』ですが、ラストに近い場面で、モーツァルトの奥さんが自分の家でモーツァルトのそばにいてくれたサリエリに強い不快感を表します。
サリエリは宮廷音楽家でしかも病気の夫を看てくれてたのですから、そこまでの不快感は不思議だったのですが、ディレクターズカット版を見るとその理由がわかりました。
サリエリは陰湿で酷いことをしていたのですね。
ただ、作品としては、劇場版が冗長でなくいいテンポですから
ディレクターズカット版はお勧めしません。