映画についてのひとりごと 65

囲碁名人は人工知能に対し
3連敗のあと1勝しました。
しかし、この1勝は、上手な人なら打たない手をわざわざしてるだけで
正攻法で勝ったわけではないですね。
これであれば、何か月か後には人工知能は簡単に修正してくるでしょうから
どうも人間の負けは決定的のようです。
最も幽玄で奥深いと言われていた囲碁で負けたのですから
もう勝てるゲームはなくなりましたね。

前も書きましたが、将来的には、人間の職業は、
芸術家とスポーツ選手とお笑い芸人と投資家だけになるかもしれませんね(笑)

 

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『般若心経』を唱えるのは、禅宗臨済宗曹洞宗)か真言宗天台宗でしょうか。
いいですね。
私は仏教に興味があったのに家が神道だったので、残念に思っていました。

鳩摩羅什は豪快というかずいぶん思い切った訳をする人です。
法華経方便品の十如是も、原典では
『それらのものは何であり、どのようなものであり、何に似ており、どのような特質を有し、どのような本性を有するものか。これらのものを如来のみが眼に知り直接に知っている。』という文なのに
『唯仏与仏。乃能究尽。諸法実相。所謂諸法。如是相。如是性。如是体。如是力。如是作。如是因。如是縁。如是果。如是報。如是本末究竟等。』と勝手に10のカテゴリーに増やしています。
しかし、原典より遥かに力強いし奥深くなってるという不思議な訳僧です。
生き方も含めてあまり型にはまらない大きさを持っていますね。

 

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映画の『AI』、上映当時に観たときには駄作だと思ってほとんど印象にもなかったのですが
だんだん現実が近づいてるようですね。
思考は記憶の反応であってセコハンにしか過ぎない、といった人がいますが
思考は機械的なものですから、最終的には機械の方が優れることになるのでしょう。
確かに、これでもし、機械に自我が生じたら、と思うとぞっとしますね。
そこまで行かなくても、人間の仕事は、単純作業、力仕事はロボットが、
頭脳労働は人工知能がするようになりますので、失業する人がどんどん出てきます。
銀行員なんかは真っ先に要らなくなるんじゃないかと思いますが。

 

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『このすばらしき世界』、いい曲ですね。
この曲を聴くと、映画『ジョー・ブラックをよろしく』のラストシーンを思い出します。
あの世に旅立つ人、花火、そしてこの曲。
世の評価は分かれているようですが、私は大好きな作品です。
あのラストシーンにはこの曲がぴったりですね。

 

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鳩摩羅什は面白い人物ですね。
鳩摩羅什がいなければ、中国や日本の仏教は全く違ったものになっていたでしょう。
この人は破戒僧であり還俗までしました。
しかし、この人の訳は本当に名文で、この訳がないと後世に経典がここまでは影響力を持たなかったと思っています。
金剛般若経も素晴らしい訳ですが、この人の法華経の訳も名文です。
ただ、私の好きな薬草喩品の後半がなぜか鳩摩羅什は訳していません。
不思議です。とてもいい文章なので訳してほしかったと思っています。
また、これも名文中の名文である観世音菩薩普門品の世尊偈は鳩摩羅什訳ではないようです。
鳩摩羅什以外にもこのような名文を書ける人がいたということは凄いです。

クリスマスローズの写真ありがとうございます。
今の季節に咲く花なのでしょうか、本当に美妙でいい色ですね。

 

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金剛般若経の『応無所住 而生其心』の言葉は非常に重要な言葉です。
禅のスーパースターを3人挙げるとしたら、私なら、六祖慧能臨済と趙州を挙げますが
その中の一人六祖慧能が五祖弘忍から直々に金剛般若経の解説を受け
『応無所住 而生其心』に至ったときに悟ったとされています。
『応無所住 而生其心』が本当にわかれば悟れるということでしょう。

玄奘三蔵は、西遊記三蔵法師のモデルとなった人です。
玄奘三蔵には、般若心経について次のような言い伝えがあります。
玄奘益州の空恵寺にいた時、インドから来た僧が病気で苦しんでいたのを見て
これを看病した。
このインド僧は玄奘が砂漠を越えてインドに仏教の教典を取りに行く志を抱いている
ことを知ると、玄奘に般若心経という短いお経を教えてくれた。
そして、これを唱えてゆけば、災厄にもあわず、病気にもかからないと言ったという。
のちに玄奘が中インドのナーランダー寺に行ったら、
なんと、かの病僧がそこにいるではないか。
驚く玄奘にその僧は、私は観世音菩薩である、と告げて姿を消したという。』

やはり、ロマンがありますね。

 

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『知的生活の方法』はいいですよ。
ここに書かれている、『何度も繰り返し読むに耐える本』こそが名作だという基準は
本でも映画でも音楽でも、私の共通の基準です。
いくらお金を儲けても、事業を成功させても、社会的に地位があっても
尊敬には値しません。
その人が、何百回となく繰り返し読む本、繰り返し観る映画、繰り返し聴く音楽を
持っていなければ、その人は精神的には生きてこなかったと同じことだと思っています。

 

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『今年の相場環境でクタクタ』ですか。
無理もありません。
今年は非常に難しい年です。
綱渡りするような危うさがあります。

ここ数年に渡り、アメリカ、ヨーロッパ、日本と世界中が金融緩和量的緩和をしてきました。
量的緩和は、し続けることができず、いつか収束、または終息しなければなりません。
量的緩和のツケを支払うときが今年か来年には来るでしょう。
落語の『花見酒』のように、酒は全部売れたけれど手元にお金が全くない状態になってしまうと最悪です。
そうならないように、各国の中央銀行総裁は『芝浜』でも見て勉強するべきですね。

いい音楽貼っていただいてありがとうございました。

 

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今日はウォーキングの時間に雨が激しくなりましたので
山歩きできませんでした。
今週は『6才のボクが、大人になるまで』を観ようと思っています。
先週は『コレリ大尉のマンドリン』を観ました。
ギリシャの島が舞台で、その景色や雰囲気は好きな感じの作品でした。
名作とまではいかないかもしれませんが。

3月は寒暖差が一年で一番激しく、体調を崩しやすい季節なのでご自愛ください。
今年は花粉も多いようで、少し風邪か花粉症かわからない症状が出ています。

 

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ツレがうつになりまして』というテレビドラマ、見たことがあります。
確か、第2話かだったと思いますが、藤原紀香が明るい奥さん役で、
原田泰造がうつの夫役、すでに出社拒否している時期を演じていました。
映画も作られていたのですね。知りませんでした。
宮崎あおい堺雅人であれば、面白いドラマになってるでしょうね。
ぜひ、見てみたいです。
私が堺雅人を知ったのは、『篤姫』です。
この時の演技には光るものがあったので、覚えていました。
この映画も、この2人が夫婦役なのですね。
ますます面白そうですね。

 

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『芝浜』では、大金を拾った亭主に対し
奥さんが『それは夢だ』と言います。
亭主はその後改心し、家業に精を出して数年後、財を成します。

これこそ、世界の中央銀行がしなくてはいけないことですね。
しかし、中銀は、札束をばらまいて鉄火場に向かわせただけです。
量的緩和でばらまかれた札束は巨大な投機マネーとなって世界を席巻しました。
つまり金があると博打に使ってしまう亭主のようなものです。
そのツケはどこかで払わなければならないでしょう。
そうではなく、家業に精を出させるように仕向けなくてはいけません。
中央銀行総裁は、芝浜のおかみさんになるべきなのです。

 

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