還暦の貯蓄額、2千万円にはとても届かず。4人に1人が100万円未満―。
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険(PGF生命)は16日までに、今年60歳となる男女2千人を対象にしたアンケートの結果を公表した。例年行っている調査だが、「95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要」と試算した金融庁金融審議会の報告書問題が物議を醸す中で話題となりそうだ。
調査は4月、全国の1959年生まれの男女を対象に実施した。
PGF生命の担当者は「4人に1人が100万円未満というのは衝撃的な結果。一方で平均額は増えており、格差が広がっている」と話している。
日本では貧富の差がどんどん広がっていますね。この中の記事で特筆すべきは、貯蓄平均額が増えているということです。ほとんど貯蓄のない人の比率がどんどん大きくなっているのに、平均額は増えているというのは最悪です。
いま世界中で、中間層がごっそりなくなっています。中間層がなくなっているというのは中間層が貧困層に転落しているからです。
ですから、最近は『平均値』というものが全く意味をなさなくなりました。
少し前までは、中間層が最大のボリュームゾーンだったので、平均値は意味のある数字でした。端が小さく真ん中が大きい、例えばラグビーボールかレモンのような形であったので、平均値のあたりが最も人数も多かったのです。
しかし、最近は『中央値』でないと意味がありません。
例えば9人に貯蓄額の統計を取ったとして、1億円が2人、1000万円が2人、500万円が3人、0円が2人とします。
『平均値』であれば、2611万円です。
しかし、この2611万円に近い人は誰もいなく、何の意味もありません。
『中央値』は統計人数のちょうど半分のところ、つまり上位から5番目の人が貯蓄額いくらかという数字です。この場合500万円です。
2611万円と500万円では全く違いますね。
中間層がいなくなっている今の統計は、平均値より中央値の方が実態を正確に表します。
記事にあるように、貯蓄の平均額は増えているのに、ほとんど貯蓄がない人も増えているというのは社会が非常に悪い状態、つまり貧富の差がどんどん広がっているということです。
年金不足2000万円と言うことが大問題になっていますが、国民年金しかもらえない人は5000万円不足という試算もあります。
いまここで消費税なんか上げるとますます貧富の差は広がっていきます。
マグノリア (219.62.234.179)