合意なき離脱へ

イギリスの新しい首相になったボリス・ジョンソンは、国民の人気者であると同時にメディアの嫌われ者ですし、識者の中で評価が低いですね。

それもこれも、言ってることがコロコロ変わるということと、国民投票ブレグジットになった途端、首相になることから逃げたからです。

 

●2003年、自身がEUのファンであると発言

「私が超欧州懐疑派ということは全くない。ある意味では、ちょっとしたEUファンだ。もしEUがなかったとしても、われわれは似たようなものを発明しただろう」と英議会に語った。

●2013年、EU離脱は英国の問題の解決にならないと指摘

「われわれの問題のほとんどは、ブリュッセルのせいではなく、慢性的な英国の短期主義や不適切なマネジメント、怠惰やスキルの低さ、一時の満足を追うカルチャー、そして人的・物的資源やインフラへの投資不足からきている」と英紙デイリー・テレグラフに寄稿。

●2014年、EUを動物に例えるなら何かと同紙に聞かれて

EUは、例えるならロブスターだ。EUはその仕組み自体、参加国に夕食会の場でロブスターを注文させるようにできている。会計は誰か他の国、通常ドイツが、支払ってくれると知っているのだ」

●2016年2月、国民投票を控え同紙に寄せたが掲載されなかったコラムで、EU残留を支持した理由について

「(EUは)すぐ手が届く市場であり、英国企業はもっと開発することができる。こうしたアクセスの割に、会費は比較的安い。なぜそれほど頑固に離脱したがるのか」と記した。ブレグジットを描いた書籍「オール・アウト・ウォー(全面戦争)」が明らかにした。

                         (Newsweek

 

ボリス・ジョンソンを信頼してない人は、知識人には多いですね。

ただ、私は今度は、合意なき離脱にトランプの強力な後押しがあると思っているので、10月末には決断するのではないでしょうか。

 

 

 【ロンドン時事】ジョンソン英首相は27日、中部マンチェスターで演説し、「欧州連合(EU)離脱は経済的な一大チャンスだ」と楽観的な見通しを示した。どんな形の離脱になろうと、EUに残留した方が経済的に有利だというメイ前政権の分析とは対照的な主張となっている。

 首相は「合意なき離脱」も辞さない強硬派。EUから出れば大きな利益があると訴えることで、合意の有無にかかわらず期限の10月末に離脱する方針について、国民から支持を得る考えだ。

 演説で首相は、前政権がEU離脱をマイナスの出来事のようにみなしたと批判。「離脱は英国の進路を変え、世界最高の国にする好機だ」と持論を展開した。

                              【時事通信社

 

いよいよ、ボリス・ジョンソンは腹を決めたようですね。

国民投票で離脱賛成が勝ったとき、離脱を先導していたファラージとこのボリス・ジョンソンは逃げましたからね。あの時はとことん失望しました。

あの時の悪い印象があるのですが、今回は腹をくくるでしょう。

私は前から主張していますが、イギリスは合意なき離脱した方が大きく発展できるのです。

メイ首相のEUとの合意案では、バックストップがあるためにどうしても実質的には残留だったのです。その案では、アメリカとも日本とも自由貿易協定を結べませんでした。

合意なき離脱は一時的には混乱がありますが、短期間で終息し、その後は大きく発展していくはずです。