倒産しないために

ゴールデンウィークから夏にかけては世界中が一気に楽観的になり開放感に溢れると思っていましたが、その通りになりそうです。(ただ、南半球とくにブラジルはこれからひどくなるかもしれません。)

 

私はコロナは終息したとは思いませんし、この冬にさらに強毒に変異する可能性があると思っていますが、かりにこれで終息したとしても、経済はこれから大きく落ち込むことになることは避けられません。

 

すでに、人々のマインドから生活必需品以外の需要が蒸発しています。

コロナを克服したとアピールしている中国では、報復性消費(リベンジ消費)が爆裂していると報道されているようですが、5月連休の実際の売上は去年の半分です。

この騒動で、経済的に傷ついていない人はリベンジ消費するでしょうが、その割合は少ないということです。

 

日本の場合はもっと深刻です。

去年の10月に消費税増税をして景気マインドが大きく落ち込んでいた矢先に世界中の経済が完全ストップしたのですから。

コロナがなくても、消費税増税で今年はオリンピックがあっても消費は冷え込んでいたでしょう。それがオリンピックも延期になったばかりか、経済活動そのものが今までにないレベルでストップしたのですから、景気を左右するマインドも今までにないほど冷え込んでいます。

 

経済は完全に負のスパイラル、縮小の連鎖に入ってしまいました。

経営者や自営業者にとって未曾有の艱難時代が来るということです。

倒産するかしないかはこれからは経営者の手腕にかかっています。

どのような業種であっても、日本を代表する膨大な資本の会社であっても、これから来る時代では一瞬で倒産する可能性が出てきました。

日本一儲けていて鉄壁だと思われていたトヨタでさえ、資金調達に乗り出さなければ破綻してしまう時代になるでしょう。

 

経営者や自営業者は、とにかく、手元に資金をかき集めることです。それ以外にすることはありません。現金さえ潤沢に持っていれば絶対に倒産することはありません。

会社資産の現金化を進め、なりふり構わず借りれるところから借りて現金を増やしておくことです。

そして経費を徹底的に削ることです。

『人に好かれたい経営者』『人格者と見られたい経営者』『従業員から慕われたい経営者』『人によく見られたい経営者』はこれからの時代、確実に自分の会社を倒産させてしまいます。

 

いま、感染症特別貸付など多くの救済措置が取られています。もし、今回のコロナで会社の業績が悪い影響を受けているにもかかわらず、このような国の救済措置の資金も借りることが出来ない経営者がいれば、それは経営者失格です。

社会の仕組みも金融機関が何を考えているのかも全く知らないから、借りることも出来ないのです。

 

私は、自分の会社の借金を株で全額返済しましたが、その前は倒産の危機でした。しかし、日本一の大銀行の支店長にも土下座どころか頭を下げることもせずお金を借りることができていました。

それは、金融庁の通達などを全部読み、政府要人の発言も全部調べていて、『金融庁のこの通達によればあなたの銀行は私の会社にお金を貸さなければならない』というように交渉したからです。

社会の仕組みを知って、銀行はどのようにしたら動くかがわかっていたからです。

このおかげで倒産を免れ、その後の、株で何億もの借金を返済する起死回生へと持って行くことが出来たのです。

 

これからの艱難時代、社会の仕組みを知らない経営者は自分の会社を潰すことになるでしょう。

従業員の誰よりも早く出社して掃除をして『うちの社長は本当に人格者だ』と言われることがいい経営者と考えているようではお先真っ暗です。

これからの時代は、潤沢な現金を確保できるかどうか、それにかかっています。