和泉式部が雨を降らせた?

『麒麟がくる』がしばらくお休みのようですので、初めてNHKオンデマンドに入りました。月額990円のようです。

好きな『歴史秘話ヒストリア』があったので見ました。

この番組のテーマソング『storia』を聴くだけで泣けそうになります。

歴史はいいですね。俯瞰して観ることができるので、無常を強く感じることができ優しい気持ちになれます。

『和泉式部』の回を見ました。

和泉式部についてはほとんど何も知らなかったのですが、ただ、ずいぶん前に性空を調べていたとき、播磨の書写山に和泉式部が訪ねてきたことがあったということを読んだことがあります。

あと、日蓮の文書に『一丈のほりをこへぬもの十丈二十丈のほりをこうべきか。和泉式部いろごのみの身にして八斎戒にせいせるうたをよみて雨をふらし』『いうにかいなき婬女、破戒の法師等が歌をよみて雨す雨を三七日まで下さざりし人は、かかる徳あるべしや』などとあったので少し興味がありました。

和泉式部が書写山の性空を訪ねて行ったのは史実のようです。

日蓮は、和泉式部が和歌を詠んで雨を降らせたと思っていたようです。日蓮によると和泉式部は婬女というようなさんざんな言われ方ですが、そのようなものでさえ和歌を詠んで雨を降らすことができる、それなのに真言密教はいくら祈祷しても雨を降らせることができなかったではないか、と言いたいようです。

『歴史秘話ヒストリア』には雨ごいのことは出ていませんでした。

調べてみると、和歌を詠んで雨を降らせたのは小野小町だと思います。

『ことわりや 日の本ならば 照りもせめ さりとてはまた 天が下とは』

『ちはやぶる 神も見まさば 立ち騒ぎ 天の戸川の 樋口開けたまへ』

干ばつの時、勅命により雨乞いを命じられた小野小町はこの2つの歌を詠んで見事雨を降らせたという伝説があるようです。

『歴史秘話ヒストリア』を見ても、和泉式部は恋の歌ばかりで、雨乞いで雨を降らせるような人には思えませんでした。

しかし、平安時代の人は、和歌には言霊があり、和歌を詠むことで雨を降らすこともできると考えていたようです。

そういう考えは好きですね。本当の歌詠みにはそれができたのだと思います。

とすると、小野小町という人は凄い人であったのかもしれません。