中国の次の一手は?

【ワシントン=黒瀬悦成】米太平洋空軍の広報担当官は26日、米軍のU2偵察機が中国軍の演習空域に侵入したとする中国国防省の非難声明について「U2の飛行任務はインド太平洋の作戦空域で、国際的な法律や規制の下で航空機に許可されている飛行の範囲内で実施された」と述べ、問題はないとの認識を示した。  

広報担当官は「太平洋空軍の要員は、国際法で認められたあらゆる場所で、自ら決めた時間と頻度で飛行し、作戦行動を実施し続ける」と強調した。

                                                                                         (8/26(水) 22:48)

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米国が南シナ海にまた偵察機を飛ばした。

環球時報国際版のグローバルタイムズなどが27日に伝えたところによると、米軍は前日に中国が実弾訓練を行っている南シナ上空で弾道ミサイルの発射兆候と軌跡を追跡するRC-135Sコブラボール偵察機を送り偵察活動を行った。

米軍は25日に高高度偵察機U-2Sを中国が実弾訓練のために設定した飛行禁止区域に送ったのに続き2日連続で中国軍の訓練地域に偵察機を送ったとグローバルタイムズは伝えた。

RC-135Sは日本の沖縄にある米軍嘉手納空軍基地を離陸し、台湾とバシー海峡を越えて南シナ海に進入し偵察活動を行ったことが確認された。

これに先立ち香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは前日に消息筋の話として中国が26日朝に「空母キラー」と呼ばれる東風-26Bと対艦弾道ミサイルDF-21Dなど2発の中距離ミサイルを南シナ海に向けて発射したと報道している。

米軍が今回派遣したRC-135Sは弾道ミサイルを感知する偵察機で、中国が米軍の飛行禁止区域進入に対応して中距離ミサイル2発を発射したことに対する米国の対応とみられる。                   (8/27(木) 11:18)

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やはり、こういうときの対応は、米軍は凄みがあると言わざるを得ません。

日本であれば、中国が非難声明を出すとすぐひるんでしまいますが、米軍は国際法を押し通していきます。絶対にひるみません。

国際裁判所でも認められたように、南シナ海は中国の領海でない以上、中国の非難には法的な根拠がありません。

そして、すぐまた偵察機を飛ばすことで中国を確実に追い詰めて行っていますね。

 

ここで中国が何もしなければ、中国のメンツは丸つぶれです。

何よりメンツを重んじる中国は何もしないわけには行きません。

しかし、下手に対抗手段を繰り出すと開戦となってしまいますから、中国の次の一手は要注目です。

 

 

【北京時事】中国軍南部戦区の李華敏報道官は28日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島周辺を米軍のイージス駆逐艦「マスティン」が27日に航行し「中国の主権を著しく損なった」として非難する談話を発表した。  南部戦区の海空戦力がマスティンを追跡し、警告したという。

                (8/28(金) 6:18 時事通信)

 

 【北京、ワシントン共同】中国人民解放軍で南シナ海を管轄する南部戦区の報道官は27日夜、米海軍のミサイル駆逐艦「マスティン」が同日、中国が領有権を主張する南シナ海の西沙諸島の「領海に侵入した」と非難する談話を発表した。

付近の海域では中国軍が演習中で、米中両軍の偶発的な衝突への懸念が現実味を増してきた。  

一方、米国防総省は27日「中国が南シナ海で軍事演習を行い、弾道ミサイルを発射したことを懸念している」とする声明を発表。

演習は「南シナ海での主権を不法に主張する中国の行動の一環だ」とし、南シナ海を軍事拠点化しないという中国の言い分とは矛盾していると批判した。

               (8/28(金) 7:05  共同通信)

 

この記事によれば、米軍は中国の非難など全く無視して、ますます追い込んで行っていますね。

中国が自らの領海だと主張している海域で今度はイージス艦が航行したようです。

中国は次の手が苦しくなってきました。

 

それにしても、上の記事は、同じ出来事を報道した記事ですが、時事通信と共同通信では表現が違います。

時事通信は『中国が軍事拠点化を進める南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島周辺

共同通信は『中国が領有権を主張する南シナ海の西沙諸島

時事通信は、中国が『中国の主権を著しく損なった』と非難した、

共同通信は、中国が『領海に侵入した』と非難した、と書いています。