映画『タイタニック』のもう一つのラストシーン


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新しいプロジェクターで壁一面に投影できるようになったので、

大画面で見るべき映画を次々と見返しています。

そうすると、今まで何回、何十回となく見てきた作品も、気が付かなかったところに気がついたり、逆に評価が下がったりするものも出てきます。

映画『アマデウス』は私が二番目に好きな映画で何十回となく見てきましたが、やはり何十回と見ると、モーツァルト役やモーツァルト夫人役の役者の演技の下手さが見えてきて、かなり評価が下がりました。それでも、モーツァルトのオペラのシーンはどれも好きでこれからも見るとは思いますが。もう少し、演技力のある人を採用した方がよかったと思います。

 

映画『タイタニック』は最初観たときは、自分の中ではベスト50位くらいだったと思いますが、時を隔てて何度か見ると、なんとも深い名作だと思わざるを得ません。当初、甘い恋愛映画や膨大な予算をかけたパニック映画だという一般の先入観が邪魔していました。

これはすごい映画ですね。

私はディスクを買っても、よくついている特典映像を見ることはまずないのですが、今回、なぜか見たい気になりました。

未公開シーンと、採用されなかったもう一つのラストシーンです。

もう一つのラストシーンでは、老婆になったローズがルイ16世のダイヤを海に投げ捨てようとするところを見つかります。

そこで『宝物は沈没船にはないの。人の心の中の記憶にある。』というセリフを言って、ダイヤを投げ捨てます。

劇場版では、ローズは誰にも知られずに投げ捨てます。

 

これは、やはり劇場版のシーンの方がいいですね。宝物は心の中にある、というセリフも、いいこと言った感が露骨すぎてちょっとしらけます。

映画はあまりにも説明的になったら終わりです。

 

ただ、このもう一つのラストシーンではっきりとわかったことがあります。

それは、エンディング、船の上のベッドでローズは眠ったのか死んだのか、という論争です。

私は死んだのだと思ったのですが、その論争に決着がつきました。

それは、もう一つのラストシーンでは、ローズは流れ星を見ます。

それは前半の部分でジャックが『流れ星は誰かが死んだとき』というセリフが伏線になっています。あるいは、願い事がかなうとき、です。

このことから、ローズはベッドの上で死んだのだと思います。

ジャックが最後の時、『君は、人生を生き抜いて、暖かいベッドの上で死ぬんだ』という言葉が実現したということでしょう。

 

映画『タイタニック』は、甘い恋愛映画や膨大な予算をかけたパニック映画だという先入観を抜きで見たら、人間存在の哀しみに迫るとてつもなく凄い映画だということが分かります。