ドラマ『団地のふたり』


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評判になっていたので、オンデマンドでドラマ『団地のふたり』を見ました。全10話です。

小林聡美と小泉今日子のコンビと言えば、ドラマの名作『すいか』のファンとしては見逃せないでしょう。

ドラマ『すいか』は低調な視聴率だったこともあり、知っている人も少ないようですが、このドラマの影響は大きなものがありました。

いわゆるスローライフ系のドラマや映画の先駆けとなり、この後、『かもめ食堂』『めがね』『プール』『パンとスープとネコ日和』『ペンション メッツァ』と数多くの名作たちが続いていきます。

その原点がドラマ『すいか』であり、それ以降、小林聡美はスローライフ系映画での地位を確立していきました。

何故か、小林聡美がいないといいドラマにならないのです。

映画『レンタネコ』や『トイレット』は『すいか』出演者の市川実日子やもたいまさこが主演で小林聡美は出ていません。作品的にも失敗作だと思います。

小林聡美はそういう意味でオンリーワンだと思っています。

小泉今日子は、『すいか』で小林聡美が働く信用金庫の同僚として出演して以来、いわゆるスローライフ系では共演してないので、この『団地のふたり』は興味をそそられるものでした。

このドラマにおける『団地』とは、日本の高度成長時代の象徴、昭和の象徴として描かれます。

それは、この団地に住む建築学専門の元大学教授の意見書や、最終話での小林聡美のセリフ『ここだけ昭和だよね』ということからわかります。

もっと言えば、このドラマの団地の姿は、老いていっている日本の姿そのものかもしれない。

認知症の母のためにこの団地に戻ってくる息子などいまの日本が抱えている様々な問題が一話一話のテーマとなっていますが、どれも悲惨ではなくユーモラスなタッチで描かれていて、いい話のオチも多くちょっとした感動もありました。

ただ、『すいか』と比べて何かわびしさは感じました。それは、時代的に衰滅していくわびしさだと思います。