ネットフリックスで『ペンション メッツァ』(全7話)観ました。
ドラマ『スイカ』や映画『かもめ食堂』からの、この路線のファンとしては、観ないわけにはいかない作品でした。
『マザーウォーター』や『パンとスープとネコ日和』の脚本監督の松本佳奈さんの作品ですね。
荻上直子監督の映画『めがね』のメイキング映像を撮ったことから、この路線の仲間入りしたようです。
荻上直子さんは、『かもめ食堂』『めがね』『トイレット』『レンタネコ』の監督です。
この一連の癒し系と言うかスローライフ系はほとんど観ていますが、同じ荻上直子監督作品でも、『かもめ食堂』『めがね』が文句なく名作なのに対して、『トイレット』『レンタネコ』がそれほどでもないのは、やはり主演が小林聡美であるかどうかだと思います。
それほど、小林聡美はオンリーワンですね。
この原点は、ドラマ『すいか』です。
そして、どれもこれもいい作品です。
その中で、心に残る名作は、ドラマ『すいか』映画『かもめ食堂』『めがね』『プール』でしょうけど、この『ペンション メッツァ』は同じくらいいいドラマです。
他の作品とこの作品の違いは、この作品が生と死、夢と現、現実と幻想の境目がぼんやりしていることです。
1話目の狐の話もそうですが、もたいまさこの森の人もそう、昔の男という回もこの世の人かどうかがはっきりしません。
ひょっとすると、小林聡美演ずる主人公もこの世の人ではないかも知れず、日本を二周している男性もそうです。
このような志向は、映画『プール』でも少し感じられましたが、しかし、登場人物がこの世の人ではないという感覚はありませんでした。
この作品の新境地だと思います。
(続きます)