映画『マネー・ショート』を見返すと


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シリコンバレーバンクやクレディスイスの問題が相次いで起きている今、もう一度『マネー・ショート』が見たくなって、持っているブルーレイを見返してみました。

最初観たときより、格段に面白く見ることができました。

それは、この映画の雰囲気と同じような社会情勢になっているからだと思います。

サブプライム債、モーゲージ債が問題となっていた2007年、私も、いろいろ調べた結果、サブプライム問題は世界的な金融危機をもたらすと考え、為替のFXを始めました。

ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円をショートするために、わざわざFXの口座を開き、始めたのです。

しかし、始めてから1年近く、ドル円、クロス円は暴落するどころか上がっていきました。

ですから、この『マネー・ショート』の主人公たちの気持ちがよくわかります。

世界経済が破綻の崖っぷちにいるのに、なぜ暴落しない?という大きな疑問の中で過ごす気持ちです。

みんな、何にも気がつかず、何を呑気に、芸能人のスキャンダルやワールドカップばかりに熱中しているのか、というような気持ちです。

『エンヤのミュージックビデオを見ているような』という表現には笑ってしまいました。

 

暴落の前には必ずバブルがある、というのは本当で、それであれば、いままさに史上空前のコロナバブルが起きています。

世界中にばら撒かれた紙幣の量は史上最高です。

アメリカは特にすごく、そのためインフレになっていますが、バイデンもパウエルも2021年には、インフレは一時的なものと見なしていました。

インフレが本格化していることに気づいた時から、これまた史上最速で大きな利上げを何度もしています。

そのため、米国債の暴落が起き、シリコンバレーバンクの破綻が起きました。

リーマンショックの時も、ほとんどすべての要人が『経済は大丈夫』『影響は限定的』と繰り返し断言しています。

今年、今起きていることも、同じですね。

サブプライム問題が表面化してから1年以上経ってリーマンブラザーズが破綻してリーマンショックが起きましたから、来年、経済構造を変えてしまうような出来事が起きると思います。

個人債務が膨大になっており、クレジットカード会社の破綻や自動車ローン会社の破綻などはまず起きるような気がしますし、本番としては、世界的な大銀行の破綻も起きておかしくありません。

今年は、たぶん、リーマンショックの前年、2007年といっしょで、サブプライム問題があっても、少しの金融機関が破綻しても、なにもなかったようになるでしょうけど。

 

 

 

  id:chochimi  
ショーシャンクさん、こんにちは。
ようやく今日、マネー・ショートを観ることができました。
同時にお昼寝してくれた子どもたちに感謝です。
最初から最後までセリフがガツンと響きました。
「サブプライムはクソ」 「モーゲージ債はクソ」 「CDOはクソをクソでくるんだもの」
汚い言葉をこのコメントで並べてしまって申し訳ないですが、ここまではっきり言っていただくと、 分かりやすく、どういう経緯で経済が破綻していったのかにも、理解が深まりました。
債務不履行が相次いでも債権の価値が上がっている状況は、まさに今の株式市場のようでした。 ラストはちょっと切なくなりました。
が、私自身、今の状況を傍観しているわけにいかないな、 とこれからを色々考えさせてくれる映画でした。
おすすめしてくださり、ありがとうございました!
 
 
chochimiさん、こんにちは。
映画『マネー・ショート』は、リーマンショックの時の実話ですが、いま観ることに非常に意味があります。
私も、この映画ができたときに見ましたが、いま見返してみると、真実味をもってヒシヒシと分かる感じです。
『MBS』『CDO』『CDS』という金融商品がこの映画で登場していますが、いままさに、ドイツ銀行の『CDS』が暴騰したというニュースが流れるなど、リーマンショックの時よりずっと身近になっています。
『CDO』というのは、福袋みたいなものでしょうか。それも信頼できる百貨店の福袋ではなく、いかがわしい商店の福袋みたいなもので、売れ残り商品や欠陥商品の山です。中身は誰も知りません。
『CDS』の誕生の場面も面白いですね。
バーリは、サブプライム債が破綻することを予見し、ショート(売り)したいと思いますが、サブプライム債をショートする方法がありません。
そこで、ゴールドマンサックスを始め大手金融機関に『クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)』という金融商品を作ることを持ちかけます。
サブプライム債が破綻すればバーリの勝ち、破綻しなければ銀行の勝ちです。
一人の人が銀行と交渉して、新たな金融商品を作るなんて、さすがアメリカだと思いました。
 
『CDOというのは、犬の糞を猫の糞で包むようなもの』というのは、わかりやすくていいですね。
そして、気をつけなければいけないことは、日本でもそこら中に『犬の糞を猫の糞で包んだもの』は蔓延っています。
それを、豪華な箱に入れて、大銀行でスーツを着た銀行マンが盛んに売っているのです。
 
今年から来年にかけて、世界は再び大変な状況に陥ると思います。
この映画『マネー・ショート』は現代人は必ず見るべき作品ですね。