映画『ユダヤ人を救った動物園』は、『シンドラーのリスト』や『杉原千畝』と同じくナチス時代にユダヤ人を助けた人の実話です。
ポーランドワルシャワの動物園のオーナーの女性が主人公です。
この3作品はどれも感動的ではありますが、しかし、この作品について言えば、自分の夫の安否を知るために、知り合いの動物学者(ナチスの幹部となっている)に身体を差し出そうとする描写はないほうがよかった気がします。
事実としてあったことかもしれませんが、やはり毅然とナチスに立ち向かう精神であってほしかったので、他の2作品に比べると感動は薄くなりました。
『ユダヤ人を救った動物園』を見たので、『シンドラーのリスト』を見返したくなりました。
『シンドラーのリスト』は何度か見ていますが、記憶が曖昧になっているところがあって確かめたくなったのです。
映画を見ていない人は、ユダヤ人を救ったシンドラーに関して、善良なイメージを持っているでしょうけど、実はかなりうさんくさい人物です。
ひと山当てようとする山師タイプ、はったり屋の典型ですね。
ユダヤ人を雇ったのも、ただユダヤ人がポーランド人と比べ低賃金で働かすことができたからです。
ナチスの党員となり、ナチスの幹部に賄賂や女性をあてがい、ナチスの御用商人となって大きな財産を築いていきます。
経営はユダヤ人の会計係に任せっきりです。
極めて、快楽主義、享楽的で、酒と煙草と女性を欠かしません。
しかし、最後には、全財産を注ぎ込んでユダヤ人を助けようとします。
前半は儲けだけを考える経営者です。
片腕がない老人が雇ってくれたことのお礼にきたときも、ポーランド人に成りすましたユダヤ人女性が両親を救ってほしいと頼みに来たときも、冷酷に追い払います。
何がきっかけで変わったのかを確かめたくて、見返しましたが、全部見てやはり泣けました。
やはり何度見てもすごい作品です。
私はスピルバーグはそれほど評価していませんが、この作品だけは別格でやはり泣けます。