米国債10年利回りは、2007年以来の高値をつけています。
2007年というのは、リーマンショック直前です。
米国の景気は、想定よりも強いので、FRBは利上げをやめることができません。
しかし、同時に景気後退の兆候も現われつつあります。
最も怖いのは、不況とインフレが同時に来るスタグフレーションですが、もしこれから再び原油価格が上昇すれば、そうなる可能性が出てきます。
そうなると、利上げも地獄、利下げも地獄となり、手がなくなります。
中国も今、少し性質は違いますが、そのような窮地に突入しています。
今月、6月に続き、中国は利下げをしました。
それほど、不動産市場の崩壊が深刻だと言うことです。
しかし、利下げをすると、人民元の暴落に拍車がかかります。
中国は、食糧もエネルギーも大きく輸入に頼っていますから、人民元が暴落すれば物価の上昇が酷いことになります。
失業率特に若者の失業率はとんでもなく悪化しています。一説では50%近いとか。
つまり、不況と物価高騰が同時に来ることになります。
かなり前から、私は、中国が世界の覇権を握ったときには世界は暗黒になると思って、ずいぶん気にかけていましたが、中国の覇権はなくなったようです。
もし、鄧小平クラスの人物がトップであったなら今頃は中国が世界の覇権を握っているでしょうし、鄧小平クラスでなくても胡錦濤レベルでもそうなっていたでしょう。
世界にとって幸運だったのは、習近平が10年もトップにいてくれて、これからもトップに居続けるつもりなことです。
この人は、毛沢東に憧れ、毛沢東の目指した社会、経済に邁進しています。
しかし、毛沢東の経済政策、社会政策は、ことごとく大失敗しています。
経済が全く分かっていないからです。
今回の不動産崩壊も、毛沢東譲りの政策が招いたものです。
そして、かなり前から期待していたインドが俄然注目を浴びています。
中国の崩壊とインドの興隆がはっきりと見えてきましたね。