ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認したと発表した。
西側は、ロシアがこの地域に軍を派遣する口実に利用する可能性があるとみて警戒している。
ウクライナ東部ルガンスク州とドネツク州の一部地域は2014年以降、ロシアの支援を受ける分離主義勢力が支配している。
ウクライナ政府と西側は、この勢力をロシアの代理人とみなしている。
ロシアはウクライナへの侵攻を繰り返し否定している。
その一方でロシアは、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことなど広範な安全保障上の要求を突き付けている。
ロシア プーチン大統領
「ウクライナがNATOに加盟する危険にロシアが直面すれば、脅威は大幅に増大する。NATO設立の条約第5条は、加盟国が攻撃された場合、その国のために戦うことをすべての加盟国に求めているからだ。クリミアやセバストポリの市民の意思を認めず、ウクライナは自国の領土だと主張している。われわれにとって現実の脅威があるようだ」
プーチン氏はルガンスクとドネツクを併合し、正式にロシア領に加えることはないと述べた。
ロシアがウクライナ東部の境界線での衝突を侵攻の口実に利用することを、西側とウクライナ政府は恐れている。
ロシアは21日、同国南西部の国境をウクライナ側から突破した破壊工作員5人を、ロシア軍が殺害したと発表した。
ウクライナは「フェイクニュース」だと反論している。
西側諸国の高官3人は、ロシア軍が大規模な侵攻を行う態勢を整えたと述べた。
匿名の高官らは、プーチン氏が侵攻を命令したかどうかはわからないという。
だがウクライナ東部の親ロ派地域で、偽の挑発行為が増加しているとして懸念を示した。
米政府は、ロシア軍と親ロ派の反政府勢力合わせて最大19万人がこの地域に展開していると明らかにした。
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