映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』


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全く期待してなかった作品でしたが、予想をいい意味で裏切ってくれました。

このシリーズは全部観ていて、一応ディスクも全部揃えているものの、思い入れがあるわけでもなく、ちょっとした娯楽作品のひとつに過ぎませんでした。

特に今回は主役のハリソン・フォードが80才でアクション映画はさすがに無理があると思っていて、期待度は0でした。

しかし、見せ方がうまく、完結編にふさわしい終わり方です。

むしろ、シリーズの中で最も好きかもしれないほど、ラストに感動しました。

この感慨は、たぶん、ひとつの時代が終わったという感慨でしょう。

あの、モテモテで人気の大学教授のインディ・ジョーンズを見てきたものとしては、年老いて子供を失い妻にも捨てられ職も定年になって悲哀感漂うインディ・ジョーンズは衝撃ですが、ラストで救われました。

ヒトラーの時代へのつもりがアルキメデスの時代になって、そこにとどまる決意をした心中はよくわかる気がします。

その決意でのラストはそれなりに美しいとも思います。

私でもそこにとどまる決意をしたでしょう。

うらさびれた現世に引き戻されるよりは。

そういうラストでも私はよかったと思います。

 

ラスト、ベランダに干してある帽子を取る演出は心憎いばかりです。

あの帽子はインディ・ジョーンズの象徴です。

あの帽子をかぶって、インディ・ジョーンズは再び探求の冒険に出るでしょう。

その冒険は運命のダイヤルを使った時空への旅ではなく、運命のダイヤルを使わない時空への旅でしょう。

 

この完結編によって、インディ・ジョーンズ シリーズ全部が素晴らしいシリーズになったと思います。