注目のG20

ブルームバーグ): トランプ米大統領は11日、中国との通商交渉の合意を自分が個人的判断で滞らせていると述べ、中国が今年交渉済みの条件に立ち戻らない限り、最終合意するつもりはないと言明した。

「合意を先延ばししているのは、実は私だ」とトランプ氏は記者団に発言。「中国とは素晴らしい合意をまとめるか、まったく合意なしで終わるかのどちらかだ」と語った。

米国は先月、中国が暫定合意した条項について翻意したと非難し、協議は滞った。トランプ大統領は、「われわれは中国と合意しており、中国がこの合意に立ち返らない限り、私は興味がない」と述べた。

トランプ大統領は10日、中国の習近平国家主席が20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)での会談に応じない場合、中国からの輸入品への関税率を引き上げると警告。中国からの輸入品約3000億ドル(約32兆5000億円)相当に25%もしくは「25%よりはるかに高い」関税を賦課する可能性があると、ホワイトハウスで記者団に語った。

中国外務省の耿爽報道官は11日に北京で、「米国がG20サミットに合わせて米中首脳会談を行う期待を幾度も表明していることにわれわれは注目している。これに関する情報が入れば、いずれ発表する」と述べた。

トランプ大統領は11日、大阪サミットでの習主席との会談への期待とをあらためて表明した。

今月28、29日の大阪サミットは、米中両首脳にとってこのところ激化している米中貿易戦争を収束する最後のチャンスの1つになる。関税合戦に加え、米国は華為技術ファーウェイ)をブラックリストに載せ、中国の他の大手テクノロジー企業にも脅しをかけた。一方、中国は米国の「信頼てきない」企業のリストを作成し、制限を加えることも辞さない構えだ。

ホワイトハウスのマルバニー大統領首席補佐官代行は11日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)主宰のイベントで、G20会合の際に米中首脳会談が行われると予想していると述べた上で、最終合意に至ることはないとの見通しを示した。

原題:Trump Says He’s Holding Up Trade Deal With China Ahead of G-20

                                                     (6/12(水) 4:33配信    ブルームバーグ

 

 

ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席はもう、トランプ米大統領が仕掛ける関税の脅しには慣れただろう。それでもトランプ氏が最近発した最後通告は感情的で、その対応次第では習氏の今後の政治生命に大きな影響が及ぶ。

トランプ氏は10日、20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)での会談に習氏が応じない場合、中国からの輸入品約3000億ドル(約32兆5600億円)相当に「25%よりはるかに高い」関税を賦課する可能性があると述べた。直前まで会談の詳細を明かさないことの多い中国外務省は、会談の有無についてコメントを控えた。

中国指導者として過去数十年間で最も強大な権限を手にした習主席でさえ、就任後6年間で最も厳しい立場に追い込まれている。トランプ氏の脅しに屈せば、国内で弱腰と見られるリスクがある。会談を拒めば、トランプ氏は貿易対立を2020年の大統領選挙まで引き延ばす公算が大きいため、中国は経済的なコストを支払わされる。

北京大学の張健准教授は「会談しようがしまいが、可能性のあるシナリオのうち習主席と長期的な中国経済にとって好ましいものは何一つない」と指摘。「中国経済のニーズと習氏の政治的な計算を満たすような、良い選択肢がないということだ」と説明した。

「政府一丸」としてのアプローチをとるようワシントンタカ派に促されているトランプ氏は、習氏に強硬姿勢で臨み、妥協を難しくしてしまう可能性がある。米国による台湾への武器売却や、中国少数民族ウイグル族に対する大規模な拘束を米政権が批判していることで、米国が中国を弱体化させ、封じ込めようとしているとの不安が中国側では膨らんでいる。

日ごとに悪化している米中の対立を両首脳が緩和するには、6月下旬のG20が最後の機会になるかもしれない。中国政府関係者は、事務レベル協議では全く成果が望めないとの感触を強めている。貿易問題を担当する同国政府関係者は、米国との協議は両国首脳の介入がなければこれ以上進展できない地点に到達したと語った。

北京大学の張准教授は、「最終決定者」の習主席以外に米中対立の責任を転嫁することはできないとも論じた。「習氏は国家主席を3期、4期務めたい考えだとみられるが、2020年に中国経済が苦境に陥れば、3期目の道はそれほど楽ではなくなる」と述べた。

原題:Xi Has Few Good Options After Trump’s Ultimatum on G-20 Meeting

 

 

習近平、追い詰められていますね。

G20であっても、これほどまでに世界中から注目されることは少ないでしょう。

 

まずは、G20で米中首脳会談が開かれるかどうか、です。

中国の慣例からすると、事前協議ですべて整ってからしか首脳会談は開きません。

つまり事前の合意も全くなしで、その場で習近平が最終判断するというやり方は今まででしたら絶対にしないのです。

しかし、今回、トランプが『G20での会談に習氏が応じない場合、中国からの輸入品約3000億ドル相当に25%よりはるかに高い関税を賦課する』とまで言って、習近平の退路を断っています。

習近平が最も怖れているのは、G20で米中首脳会談をしてその場でトランプが席を蹴って帰ることです。

つまり、ハノイ北朝鮮金正恩がやられたことですね。世界中が注目している中で赤っ恥をかかされました。

習近平はこれだけは避けたいと思っているでしょう。

「われわれは中国と合意しており、中国がこの合意に立ち返らない限り、私は興味がない」とトランプが言っている通り、いったん合意した内容をひっくり返したのは習近平です。

しかし、中国国内の強硬派を振り切ってまで米国の条件を呑めば習近平は国内での立場が危うくなります。

 

裏では、何とか体面を保てるようにと、トランプに泣いて頼んでいるでしょうけど、トランプも来年に大統領選が控えています。下手な妥協はしないでしょう。

 

G20の出方で、習近平の実力が分かりますね。そういう意味で大注目のG20です。

                      (2019年6月12日午前10時)

 

 

id:kougenn  

思うに、トランプ大統領が、アメリカの大統領になったのは「神の配慮」としか考えられないほどの、奇跡だったと思います。 トランプ以外の誰が大統領になっていても、世界はもっとひどく悪い方向へと向かっていたと思います。 当時、クリントン大統領確定と言われ、誰もほとんどトランプが大統領になるとは思っていなかっただけに、余計に。 大統領選挙があった当時、アメリカとロシアの関係が最悪になっていて、ヒラリーが大統領になったらロシアに核ミサイル攻撃を断行するとまで言われ、あまり知られていませんが当時、ロシアが国民規模の大規模な核攻撃の非難訓練をしたことがニュースになっていました。ロシアはヒラリー当選絶対阻止を目指して、様々な妨害をして、結果的にそれがトランプを助けました。 トランプが大統領になってから、そのロシアもすっかり大人しくなって、中国も拗ねた坊やのように大人しくなって、一時は、世界が一発触発の状態だったので、それを思えば、トランプになってから世界は驚くほど平和になっています。 アメリカの大統領が誰になるかで、これほど世界が変わるものかと驚愕します。
 
 
トランプは結果を出していますね。彼ほど公約の数々を次々と実行している人は今までいませんでした。
彼は公約を絶対的な『契約』と考えている節があります。
日本の政治家にとっては、公約は選挙に勝つためのスローガンにしか過ぎないのです。
また、日本の政治家は支援者の不利益になることをしないために、どのような信念も貫くことができません。
トランプは、中国に関税攻撃するとき、当然中国は報復関税してくることはわかっていましたし、アメリカの大豆農家などには大打撃であることも分かっていました。
農家はトランプの大きな支持基盤です。
それでも断行した。
それは最終的には大豆農家もよくなるという信念とヴィジョンがあるからだと思います。
 
日本の政治家は支持者から苦情を言われると何一つできませんので、改革などはできるわけはないのです。改革など、すべてを敵に回してもやる覚悟がないとできないものですから。
 
まだまだ日本では、そして世界中で、トランプと言うと顔をしかめる人が圧倒的に多いですが、このタイミングでのトランプの登場は本当に危機一髪のところでした。
ヒラリーになっていたらと想像すると本当にぞっとします。
大統領選では最後の最後まで圧倒的にヒラリー優勢で当選確定と誰もが思っていました。その時も盛んに書きましたが、私はとにかくヒラリーにはなってほしくなかったですね。
クリントンオバマも大統領になるまでは人権のことで中国を非難するのですが、大統領になったとたん、全く言わなくなりました。支持している経済界が中国を刺激しないように圧力をかけたからです。ヒラリーも大統領になったらそうなることは見えていました。