英国の中国批判

[ロンドン 3日 ロイター] - 香港での大規模デモを巡り、中国と英国との間で緊張が高まっている。中国の劉暁明駐英大使は3日、英国は香港がもはや植民地でないことを忘れてしまったようだとした上で「英国は香港に手出しするな」と発言した。

大使は「一部の人々は香港がまだ英国のルールに従っていると考えているようだが、そういう人たちは香港が中国に返還されたことを忘れてしまっている」と指摘。その上で「(英国には)香港に手出しせず、敬意を払えと言いたい。一部の政治家らは未だに植民地時代の発想に取り憑かれている」と語った。

関係筋によると、英国外務省はこの発言を容認できないとして劉大使を呼び出し、厳重に抗議を行った。

香港では1日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回などを求めて立法会(議会)にデモ隊が突入。警察は催涙スプレーなどを使って2日未明までにデモ隊を強制排除した。

こうした中、英国のハント外相は、香港の「高度の自治」を明記した1984年の「中英共同宣言」が尊重されなければ重大な結果を招くと述べて中国をけん制。ロイターとのインタビューで「(中英共同宣言は)法的拘束力のある文書であり、50年間は有効だ。中国が他国に対し国際的な法的義務の順守を望んでいるように、英国も(中国に対して)望む」と語った。

これに対し中国側は猛反発。中国外務省の耿爽報道官は「英国が香港市民の自由を希求すると発言するのは全く恥知らずだ」とした上で「英国、特にハント氏が自国の力量を過大評価し、気まぐれに香港の問題に干渉しないうよう求める」と批判した。

ハント氏は劉大使の発言を受け、「国同士の良好な関係というものは相互の尊重や敬意、法的拘束力を持つ合意に基づいて築かれる。それこそが英中の素晴らしい関係を維持する上での最善の方策だ」とツイッターに投稿した。

                                                              (ロイター        2019年07月04日 06:28)

やはり、中国の一連の言動を見ても、中国という国は国際法や国と国との約束ということが全くわかっていないようです。それは韓国や北朝鮮も全く同じですが。どうも、この3国だけは世界の中でも特異で、そもそもの法の概念、理念が理解できない頭なのかもしれません。

英国のハント外相は、国と国との約束である共同宣言を遵守するように求めているだけなのに、中国は『自国の力量を過大評価するな』と脅しています。

つまり、国と国との決め事よりも、国の力の強い方の言うことを聞くのが当然という考えです。

このような国が世界の覇権を握ったらどうなるのでしょう。

 

英国の素晴らしいところは、経済的にはかなり中国への依存度があるにもかかわらず、メイ首相にしてもハント外相にしても中国に対しはっきりと共同宣言を遵守するように求めていることです。

 

日本はこの点全くだめです。そして米国のトランプも、人権の意識や自由という価値観を守るという意識がありません。

 

毒を以て毒を制する、ということでトランプは最初から支持していますが、トランプで最も許せないのは人権問題を全く取り上げないことです。その点、やはり哲学の発祥地である欧州は素晴らしいものがあります。