イランをめぐる情勢が緊迫の度を強めています。
トランプが、イラン核合意から離脱したのは最大の過ちです。
オバマが締結したイラン核合意は、ザル法であることも事実ですが、オバマが成し遂げた唯一といってもいい功績でした。
中東問題特にイランとイスラエルの問題は、平和的解決は絶対に無理なのです。
いかにザル法で緩すぎる合意であっても、少しでもイランの核開発を遅らせる効果はあるわけですし、何より国家間の合意は遵守するべきなのです。
イランの問題は中国の問題とは全く違います。
中国の本質は、支配者層の私利私欲です。それ以外にはありません。中国の高官たちは自分の蓄財や財の保全にしか興味がありません。中国という国のため、または中国の人民のためという意識は皆無です。自らの私利私欲の膨張を支えるシステム、実現させてくれるシステムが中国共産党ですから、そのシステムを守りたいのです。
イランは全く違います。イスラエルが神との契約、神の預言を実現させるために動いているように、イランも神の命令によってイスラエルとの聖戦を決意しているのです。
仲裁というのは経済的対立、軍事的対立、の場合に、お互いの利益を最大限に損失を最小限にする妥協点を探ることですが、神との契約vs神の命令 という図式において利害を説いての仲裁は何の効果もありません。
イランは全滅を覚悟してもイスラエルとの戦いをしてくるでしょう。そのために核開発を進めています。イランが核を持つ前に、合意を破棄してもイランを潰しておこうというトランプの意図はわかるのですが、いまはイランに触れてはいけなかったですね。
これによって、イランはロシア、中国とがっちりと組む方向に一気になだれ込みます。
イランにしてみれば、イスラエルが核を持っているのになぜ自分が持ってはいけない?と強く思っています。核開発は当然の権利だと思っているでしょう。
アメリカがイランに戦争を仕掛けた場合、世界中でテロが頻発することになります。
トランプの対中国政策は全面的に評価していますが、イランに関しては間違いだったと思います。