中国には北戴河会議と呼ばれる秘密会議または非公式会議があります。
北戴河というのは地名で、北京に近い海沿いの避暑地です。
長老や幹部たちが、夏の間、避暑地である北戴河で過ごすことが多いので
いつの間にか、そこで根回しなどの会合が自然発生的に開かれていったようです。
北戴河はペイタイホーと発音します。
私は20代の時に中国の北京に1年間行ったことがあり、夏の1か月間北戴河で過ごしたことがあるので馴染みがあります。
北戴河会議は、長老たちという陰の実力者も参加しますし、表向きの公式会議より本音が飛び交い、今後の方針に重大な影響があると言われています。
今回の周庭さんたちの逮捕は、今年の北戴河会議の方針に沿ったものではないかと思います。
つまり、北戴河会議において、
①香港デモは中国共産党体制を揺るがす可能性がある暴動なので徹底的に鎮圧すること
②しかし、天安門事件の二の舞は避け、人民解放軍は使わないこと
③まずは、香港警察で、デモの禁止、取り締まり、暴動を煽る者の逮捕などを徹底的に行うこと
④それでも、デモが鎮圧されなかった場合には、武警が鎮圧に乗り出すこと
こういうことを決めたのではないかと思われます。
武警とは、武装警察のことで、国際的には、警察組織で軍ではないと主張できると考えているのでしょう。
しかし、2年前に習近平は、武警を中央軍事委員会の管轄に一本化してますから、警察というより軍でしょうね。
昨日、周庭さんたちが逮捕されすぐ釈放されたのは、ジャブのような脅しですね。
そしてデモの禁止を通達してなおデモをするようであれば、今度は香港警察がデモを暴動として扱い、参加者を片っ端から逮捕するのではないでしょうか。
それによってデモが大規模になったら、武警で武力鎮圧してくるかもしれません。