ドラマ『ライオンのおやつ』


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オンデマンドで『ライオンのおやつ』(全8話)を見ました。

生と死を深く考えることができた、いいドラマでした。

何より雰囲気のいいドラマでした。

これは、原作者や原作の持つ力があると思いますし、風景も最高でこんなところで死にたいと強く思えるものがありました。

登場人物がみんないい人ばかりで、というと嘘くさいドラマになってしまいますが、気難しく怒鳴ってくる入居者も入ってきたり継母との関係などきちんと現実に向き合う視点はありながら、原作者の大きな優しさや死生観で包まれていて、とても居心地のいいドラマでした。

瀬戸内海にあるホスピスが舞台です。

そういうと、人が死んで涙を誘ったり安易に感動させるような物語と思われるでしょうけど、そうではありません。

『ライオンのおやつ』という題名にすべてが込められています。

『ライオンの家』と言う名前のホスピスで、毎日曜日の午後三時に入居者の希望するお菓子を再現してみんなで食べると言うイベントがあるので、『ライオンのおやつ』という題名なのですが、『ライオンの家』という名前の由来を聞いたとき、泣けました。

このネーミングに、原作者の優しさや感性、人間への温かいまなざしがよく表れているなと思いました。

最終回は賛否両論あるかと思います。

主人公の雫が亡くなってからが長く、亡くなったところで終わりにした方がいいのではないかと思う人も多いと思います。

日本映画やドラマで、エンディングがダラダラと続いて興覚めになることが多いので、いつもなら私もそう思うところですが、このドラマに関しては、必要であったと思います。

鈴木京香が演じたこのホスピスの主人の死生観が原作者の死生観をそのまま表しているのでしょう。

人生を深く考えさせられるいいドラマだと思います。

 

 

 

私は本は読んでいないのですが、ネットでのレビューを見ると、ドラマより本の評判が圧倒的にいいようです。

ドラマに関しては、ホスピスの女性主人の髪型があり得ない、とか、最終回の雫が亡くなったあと雫の人生や知り合いが雫について語っている場面が延々と続くので、いい人アピールに思えてつまらない、というようなレビューもありました。

 

しかし、このドラマで表現したいことはそれでいいのではないかと思います。

このホスピス自体が、生と死の中間のような、この世とあの世の境のように幻想的に描かれているのだとしたら、この髪型もメルヘンチックで、ありだと思います。

この女性主人が入居者が亡くなっても悲しまないのは、冷たいからとか仕事だから、ではなく、本当に、この世と亡くなった後の世が繋がっていると信じているからだと思います。

また、雫が亡くなった後の、生前のエピソードの数々は、いい子アピールで涙を誘おうという意図ではなく、他人をばかり楽しませようとする性格だったということを表わしていると思います。

それが、初回で『つまらない人生ですよね』という雫の感想にすべて表れています。

つまり、雫は、他人のことばかり考える人生から、この島に来て、自分のために生きようとしたのでしょう。

ライオンのように生きようと。

ライオンは、百獣の王なので、他の動物のことを気にかける必要もなく、食べたいときに自由に食べ、眠りたいときに自由に眠る、それがこのホスピスの名前の由来です。

そして、それまでの人生では遠慮して言えなかったことが、自分がしたいことをどんどん言えるようになっていったのだと思います。

 

ドラマでは、最終回の生前のエピソードの数々は、いい子だったことを強調したように思えますが、本当はそこを否定したかったのかもしれません。

ここの解釈は、原作を読んだ人やドラマを見た人で様々違ってくるでしょうけど。