映画『ファウンダー』でも、アイスクリームを保管する冷凍庫の年間電気代が利益を圧迫することから、創業者のマクドナルド兄弟の意思に反して、粉ミルクに増粘剤を加えたものをアイスクリームの代わりに使ってマックシェイクを作り始めます。
こうやって、食品産業は添加物たっぷりのまがいものだらけとなっていくのでしょう。
創業者のマクドナルド兄弟は、品質第一の実直な人柄で猛反対します。
そこで、フランチャイジーに過ぎないクロックが、最終的にマクドナルド事業のすべてを乗っ取ります。
クロックは、『天才が成功するとは限らない。才能も学歴も成功を保証しない。成功はただ執念と覚悟だ』といい放ちます。
実直であった創業者のマクドナルド兄弟は唯一の店舗、創業店舗をマクドナルドの名前も使えなくなって数年で閉店します。
実際、不快な映画です。
何が不快なんだろうと考えてみましたが、まずは、あれほど契約にこだわったマクドナルド兄弟が、契約社会のアメリカで、最終的に身ぐるみはがされた悲惨な結末になったことです。
もっと有利な交渉の仕方はいくらでもあったはずで、そこは天才であったマクドナルド兄弟がかわいそうです。
乗っ取った側のクロックはすべて他人のアイデアで、自分のアイデアは何一つありません。
まさしく、『執念』だけの人です。
マクドナルド兄弟に優秀なブレインがいたら、と思ってしまいます。
実話である、この映画は、しかし、いろいろ考えさせられる作品です。