一富士二鷹三茄子

 

小さいとき、漫画で、初夢で縁起がいいのは『一富士二鷹三茄子』とありました。

富士山が縁起のいいのは何となくわかりましたが、茄子の夢が何故縁起がいいのかさっぱりわかりませんでした。

この3つに共通するものは何もないように思えました。

この言葉には続きがあります。

 

『四扇五煙草六座頭』です。

ここまで来ると何が何だかさっぱりわかりません。

扇は末広がりだから縁起がいい、煙草は煙が上に上がるから縁起がいい、座頭は坊主頭なので毛がない=怪我ないので縁起がいい、というこじつけ解釈が横行してます。

 

実は、これらはすべて、徳川家康が愛したものです。

江戸時代に、神君家康にあやかって出世する夢を見たいということから、これらを初夢で見ると縁起がいいことになったのでしょう。

 

1、富士山は家康が大御所として居を構えた駿府の象徴です。

2、家康は鷹狩りを好んでしていました。お気に入りの鷹を大事にしていました。

3、茄子は家康の好物であり、漢方薬膳としても大切にしていました。

  駿河で穫れた初茄子が毎年将軍家に献上されたくらい茄子は名産品でした。

4、家康の馬印は金扇でした。

5、家康が日本で最初に宣教師から煙草の種をもらったと言われています。

  家康は煙草を薬として奨励しました。

  そして、江戸時代には煙草は大流行しました。

  農家が儲かる煙草ばかり栽培して米を作らなくなったので、煙草栽培禁止令まで出ました。

6、盲目の人(座頭)を、家康は鍼灸や琵琶法師の専門職につかせる制度を作りました。

  江戸時代、座頭市などが大活躍する物語はこの制度のおかげです。

 

 

 

初夢の謎が解けたとき、スッキリしたことを覚えています。

江戸時代には、家康は神君として、出世、繁栄の象徴だったのでしょう。